成功するための転職の心構え

成功するための転職の心構え

転職は人生を楽しく豊かにするための成長のステップです。

今の時代、一生安泰な仕事などありません。どんな大企業でも10年先はどうなっているか分かりません。

どんな時代になろうと生きていくためにはキャリアップを重ねて自分自身の価値を上げていくことが必要です。

転職は非常に有効なキャリアップの機会です。企業には独自の文化があります。一つの国のようなものです。企業が違えば文化も人の考え方も違います。

転職はずっと日本に住んでいた人が初めて海外に行った時に感じる感覚と同じです。いかに自分が狭い世界で住んでいたかを思い知ります。

ただ、転職後に苦労しないために心得ておくべきことがあります。ここでは私の実体験(失敗を含む)を踏まえた重要な心構えを記載します。

現在の実質年収を把握する

特に初めての転職は、自分の国を飛び出すわけですから不安だらけです。転職した後もその環境に慣れるまでは、色々な不安を抱えて過ごすと思います。

それは避けては通れませんが、更にここに生活をするためのお金の不安を抱えてしまったら、非常に大変です。もしかしたら転職したことを後悔するかも知れません。

お金の心配なく仕事に集中できる環境を作るのは、転職を成功に導くために一番重要なことだと思います。

私は実はこれで苦労しています。年収が減ってしまい、家族にも辛い思いをさせました。家賃補助で都内で3LDKに家に住んでいましたが、家賃補助がなくなり家賃が払えないので2LDKの家に引っ越しました。

人間、一度あがった生活レベルを下げるのは大きなストレスが伴います。

少なくとも現状の年収を維持するのは最重要事項だと思います。

年収を維持するために、まず実施することは自分の年収を正確に把握することです。”正確な年収”とは福利厚生を含めた実質年収のことです。

特に大企業から転職を考えている方は特に重要です。給料だけではない様々な福利厚生を受けており年収換算したら100万円単位で変わってきます。

実質年収に大きく影響する福利厚生には

・家賃補助
・生命保険、自動車保険団体割引
・企業特有のポイント制度

等々があると思います。

一番重要なのは家賃補助で、都内に住んでいる方にはかなり金額が大きく、大企業ならば100万円ぐらいは補助をうけているはずです。

生命保険、自動車保険も団体保険で大きい場合は35%引きになるケースもあると思います。家族分を合わせた生命保険を少なくとも月1万円だとすると年間ベースで約4万円、自動車保険が月5000円だと年間約2万円、合わせて約6万円の補助に相当します。

毎年付与される企業特有のポイント制度なんてものも結構あるのではないでしょうか?私の場合は毎年8万円相当分のポイントが付与され、子供のオムツ代とかにあてていました。

上記を合計するだけで年114万円です。

直接現状の生活には影響しませんが、将来の積み立て補助というのもあります。

・退職金
・企業年金
・持株補助

がそれにあたると思います。

転職先に退職金制度があるか?
企業年金は確定給付型か確定拠出型か?積み立て額はどのくらいか?
持株補助はあるか?

これらを加味した上で自分の現状の生活レベルを維持できる年収を把握することが重要です。

自分を安売りしない

生活レベルを維持できる実質年収を把握できたら、希望する転職先の福利厚生を踏まえた上で、希望年収を決めます。

福利厚生がない会社ですと、この実質年収で交渉する必要があります。

源泉徴収の提示を求められる場合は、源泉徴収の収入と乖離があるはずですので、きちんと福利厚生を踏まえた実質年収であることを説明し、現状維持ということを伝えましょう。

仮に実質年収と源泉徴収の差が50万円であったとしても、あなたが本当に欲しい人材であるならば、このくらいの金額は出してくれるはずです。企業にとっては大した額ではありません。

逆にたった50万円も出してくれない会社であるならば、見切りをつけて諦めましょう。あなたを穴埋め程度の単なる労働力と考えているか、くだらない社内規程に縛られている硬い会社のどちらかです。

転職したいが故に、自分を安売りし安い年収で妥協するのは、自分だけでなく家族を苦労させます。

面接を受けていると人事の上手い交渉で、年収を下げても入りたい気持ちになります。そうならないためにも、面接に望む前に実質年収を踏まえた最低ラインの年収を決めて面談に臨みましょう。

場合によっては、その年収以下の場合は転職しません!と始めに言い切って面談に臨むのも戦略の一つです。

繰り返しですが、企業にとって本当にほしい人材であれば、初めからその年収前提で社内の了解をとって手続きを進めるはずです。

熱中できる仕事を選ぶ

転職する理由は様々かと思いますが、キャリアップを望んでいるならば自分が熱中できる仕事を選ぶべきです。

仕事だけでなく、遊びでも熱中できるものは時間も忘れて取り組めるはずです。遊べでも全く興味のないものは苦痛でしかありません。仕事も同じです。

熱中できれば意識しなくても自然と周りからの評価もあがります。熱中しているので頑張っている感覚なんてないはずです。でも周りからは、あいつは頑張っている、と見られます。

熱中すれば自然と自分で考えて行動しますので成果も上がりやすいです。

例え経験がない仕事でも、熱中できるのであれば大きな問題ではありません。自分自身で壁を作らずに素直に人生を楽しむつもりでチェレンジしましょう。

一番避けた方がいいのは、今も好きでない現状の仕事と同じような会社に転職することです。転職理由は色々あるかと思いますが、きっと同じように転職を繰り返すでしょう。

好きでもない仕事なので周りからも良い風には見られません。経験があってもやる気がなさそうな人と経験がなくても意欲的に楽しそうに仕事に取り組む人、あなたならどちらに仕事を任せますか?

技術者は評価してもらえるか

技術者の場合は、その会社の技術者のポジションをしっかり確認することが必要です。

分野にもよりますが新しい会社、とりわけ外資系の資本が入っている会社は、技術職は下に見られがちです。その場合は評価もされにくいです。

再エネ分野の話をすると、資金を銀行から調達すること、安い業者を選定すること、案件を獲得すること、が重要と考えていて、発電所はEPCに任せていれば出来上がる、と考えている経営層も多いです。

更には外資系は利益が優先でブームが去ったら、会社を売却する、という場合もあり得ます。

そのような会社に技術で入ると、やりたいことはできないでしょう。

見極めるポイントとしては、
・技術者が経営層にいるか
・技術部門がきちんとあるか
・技術者の人数は多いか
などです。

ホームページをみれば経営層の顔ぶれと経歴は記載してあります。資本先の外人しかいない場合は要注意です。

面談で確認するのもいいでしょう。場合によっては技術部門の人と面談させてもらう場を要望するもの良いと思います。